2012年1月30日月曜日

乱読のすすめ42-歳月なんてものは




   最近、映画でもテレビでも、小泉今日子さんが、不思議な女性を演じる、すごい女優さんになったとおもっていたら、演出家・久世光彦さんのエッセイ「歳月なんてものは」(幻戯書房)に、彼女のことが書かれていました。
   小泉今日子さんの演技が変わったのは、ある人の死がきっかけになったとのこと…。

2012年1月26日木曜日

乱読のすすめ41-生きのびよ 獣にならず 生きて帰れ

南京大虐殺 記念館










     いかがなる理にことよせて 演習に 罪明からぬ 捕虜殺すとや

     古兵らは 深傷(ふかで)の老婆をやたら撃ち なお足らぬげに 井戸に投げ入る

     生きのびよ 獣にならず 生きて帰れ この酷きこと言い伝うべく

   『小さな抵抗-殺戮を拒んだ日本兵』(岩波現代文庫)は、戦時中、中国河北省で、中国人捕虜を訓練のために刺し殺す「殺人演習」を、キリスト教者として拒否した渡部良三さんの歌集です。

2012年1月23日月曜日

乱読のすすめ40-知識人って、なに?


故 加藤周一さん













   学生時代、加藤周一さんの本と出会うまえは、「知識人」ということばが好きではありませんでした。特権階級的な響きもして、なにを偉そうにと、むしろ嫌悪していました。

2012年1月12日木曜日

ファシズムは、そよ風のようにやってくる?

内橋克人さん










     「ファシズムは、そよ風のようにやってくる」という警句があります。知らず知らずのうちに、最初は心地よいものとして浸透していく…。ほんとうでしょうか?
   歴史をふりかえれば、ファシズムは、ある者たちによって周到に仕掛けられたものではあるが、事前に闘ってきた人びとによって察知され、世にたいしくり返し警鐘が鳴らされていたのではなかったか。

2012年1月10日火曜日

乱読のすすめ38-高峰秀子「わたしの渡世日記」

日本エッセイスト・クラブ賞受賞
新潮文庫











   今日は、なにをかくそう、わたしの誕生日です。
   < おめでとう~>
   ありがとうございます。妻からも何も貰えなかったので、皆さんのその一言に救われた気がします。

   歳を重ねるとは、どういうことなのか。さらさら生きるとは、どういうことなのか。
   女優、故・高峰秀子さんの自伝「わたしの渡世日記」を読んで、かんがえさせられました。
   文庫本、上・下巻770ページを一気に読んでしまうくらい、エッセイ文学としても傑作です。

2012年1月3日火曜日

新春じじ放談―ずるいぞ大新聞





    ご隠居・甲太郎
   「おつとっと、乙さん、今年もよろしゅうたのんます。ところで、あんた何歳(いくつ)にならはったん?」
    ご隠居・乙松
   「ええっと、……忘れてしもた。甲さん、あんたは?」
   甲太郎
   「ワシはまだ、かぞえで二十歳(はたち)と五十や。延命装置つけてでも、年金できるだけもろたろかと思てんねん」
    乙松
   「そら立派な心がけや。年金減らされたら、長生きして元とるしかないわな」

   甲太郎
   「ところで元旦の各新聞の社説よんだか?もう、開いた口がふさがらんかったわ」