2013年9月14日土曜日

乱読のすすめ93-むかしもいまもファシスト語法はおなじ











産経新聞によると、12日、日本維新の会の橋下徹氏が政治資金パーティーで、「ボクは酢豚のパイナップルと共産党だけは大っ嫌い」とのべたそうです。大っ嫌い、なのはこちらも同じですが、ただ「共産党が嫌い」と言うのではなく、「酢豚のパイナップル」といっしょにしたところが橋下氏らしい。そういえば、石原慎太郎氏が都議会で共産党を「ハイエナ」呼ばわりしたことがありましたが、これも石原氏らしい。

『ダダ・シュルレアリスムの時代』(塚原史・ちくま...学芸文庫)によれば、ファシズムには確固たる思想などなく、あるのは言葉のイメージの羅列だけだといいます。
めざすべき「全体主義」も「国家社会主義」も、実際には言葉だけのイメージ。そして敵にたいしてはマイナスイメージのレッテルを貼る。ユダヤ人や共産主義者を「ゴキブリ以下」と呼んだのも、大衆にイメージを植え付け、迫害を正当化するためでした。

公党であるわが党を、「酢豚のパイナップル」や「ハイエナ」といっしょにするのは、かつてのファシズムと何ら変わりがありません。むかしから、論理では勝てない相手にマイナスイメージのレッテルをはるのがファシストたちのやり方なのです。

橋下氏はどこかの記者会見で、「ボクは人の脳みそに働きかけるのではなくて、心に働きかけることに力を注いできた」と言ったことがありますが、ほんとうは人の脳みそに働きかけるだけの思想もビジョンも持ち合わせていないのではないかと思います。