2013年10月1日火曜日

乱読のすすめ99-「闇」は債権回収会社にあり

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 銀行は暴力団など、反社会的勢力に融資をしてはならないことになっています。ところが、みずほ銀行は、信販会社(オリコ)をつうじて暴力団員に融資し、こうした事態が分かったあとも2年以上、取り引きを解消していなかったとして、先月27日、金融庁から業務改善命令を受けました。
金融庁検査で今回の事態が発覚したことになっていますが、なぜ検査で暴力団への融資がわかったのか? みずほ銀行も金融庁もくわしいことは一切説明していません。
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そもそも金融庁は暴力団員リストを持っておらず(リストは警察庁にありますが秘密資料)、金融庁が検査に入っても、膨大なみずほ銀行(オリコ)の顧客名簿のなかから暴力団員を特定することはできません。
だとしたら、金融庁が、検査のなかで返済されない「焦げ付き案件」の増加を疑問に思い、調べていくと暴力団関係者にたどり着いた。あるいはみずほ自身が2年ほど前からそれに気が付いていて、これ以上隠しきれないと金融庁に告白した。つまり暴力団リストからではなく、返済されない「焦げ付き案件」から暴力団融資が浮き彫りになってきたのではないか。

銀行の「焦げ付き案件」は、やがて債権回収会社に移されます。しかしこの債権回収会社は「ブラックボックス」。取り立てられるところからは取るが、取れないところはしばらく放置してもわからない。事業に失敗した中小事業者などからは身ぐるみはがすまで容赦なく取り立てるが、手のつけられない暴力団員は最後は内部の損失処理で放免してしまう、そんなことが行われてきた可能性は否定できない。しかし、それも件数が増えすぎると、内部処理の限界を越え表面化せざるをえなくなった。それが今回、みずほの暴力団融資が露呈した理由ではないのか。

債権回収会社は金融庁ではなく法務省の管轄です。しかし法務省は事業上の監督をするわけではなく、債権回収会社がやっていることはいままで「闇」の世界におかれてきました。そろそろこの「闇」にメスを入れるときではないか。国会がはじまり、みずほだけでなく他行もふくめた暴力団融資を解明するうえで、債権回収会社の問題は大きなポイントではないかと思います。マスコミも果敢に追及してほしい。